デジタルマネーライブラリー

このスマート社会において情報は、場所やモノに縛られない状況を実現しはじめています。そんな情報にこれからは価値あるインターネット「IoV」(Internet of Value)が求められると考えています。本ブログでは、そんな「IoV」に影響する仮想通貨について色々な観点から紹介します。

ビットコインを支える技術を知ろう

f:id:a142899:20180226152933j:image

ビットコインにはさまざまな技術が使われており、それらを組み合わせることでネットワークのセキュリティを保っています。ここではそれらの概要を説明します。

さまざまな技術が使われているビットコイン

ビットコインはパソコンやスマートフォンにウォレットアプリをインストールするだけで使えます。会員登録もく、管理者もいないのにどのように動いているのでしょう。

ビットコインの裏側には巨大な決済ネットワークを維持するシステムが世界中にちらばっています。

ビットコインを誰かに送金したいとき、ウォレットがネットワークから最新のデータを受信し、使えるビットコインの数量を確認します。送金するときは、ウォレットは利用者の代わりに公開鍵暗号方式を用いた電子署名を行い、送金の正当性をネットワークに対して証明します。この取引の正当性をマイナーが公開された台帳を参照しながら、ネットワークを経由した取引を検証します。そして、マイナーは検証を行うことで台帳の新たなページとなる「ブロック」を生成し、最新の取引をブロックに収め、取引台帳としての「ブロックチェーン」に追記していくのです。これがビットコインの取引でおこなわれています。

ビットコインの分業制システム

ビットコインのシステムでは、P2Pネットワークと、その中核にあるブロックチェーンを通じてすべての取引が行われます。ブロックチェーンを維持し更新していくマイナー、ビットコインの技術開発を行う開発者、活発な交換の場を提供する取引所、ビットコインを使用し利用価値を高めるユーザー、それぞれが分業してビットコインのシステムを形成しています。

最大容量が決められているブロック

ビットコインのブロックには1MBの容量制限があります。なぜ制限があるのでしょうか。例えばブロック容量が1GBだった場合、ブロック情報を転送する回線の速度が100Mbpsだとすると、受け取って他人に転送するまで160秒ほどかかります。これではコンピューター間の同期がとれず、各々がみている情報が異なります。ビットコインは情報の整合性が合わないと送金ができないので、コンピュータ―ごとに同期がとれるブロックの容量が決まっているのです。

ブロックチェーンビットコインを支える

ビットコインのネットワークセキュリティは、ブロックチェーンP2Pネットワークによって支えられています。ブロックチェーンのブロックにはビットコインの取引の履歴がすべて記載されとり、前のブロックの一部を含むことで1つ1つのブロックが鎖のようにつながっています。悪意あるユーザーが過去の取引の改ざんを企てた場合、改ざんをしたい取引が含まれているブロックだけでなく、その取引の後に追加されたブロックすべてに対して改ざんを行う必要があります。つまり、ブロックチェーンは過去にさかのぼるほど、取引の改ざんが困難になる仕組みとなっています。

また、これらブロックチェーンP2Pネットワークですべてのユーザーが共有しています。もしブロックチェーンの改ざんに成功したとしても、ほかの大多数のユーザーが正しいブロックチェーンをもっている以上、それがすぐに改ざんしたものと分かってしまいます。これらのことより、ビットコインの改ざんは事実上不可能であるといわれています。

信頼性を担保するプルーフオブワークと暗号技術

ビットコイン では「プルーフオブワーク」と呼ばれる取引の認証作業により二重支払いを防止しています。ビットコインの取引はすべてブロックチェーン上に記録され、二重に支払われたものかどうかを確かめることができます。取引がブロックに記録される際、不特定多数のマイナーがプルーフオブワークに参加します。プルーフオブワークに成功したマイナーがあらわれると、その結果をプルーフオブワークに参加していたほかのマイナー全員が検証し、誤っていた場合は改めて検証作業がスタートします。ここで重要なのは、プルーフオブワークが不特定多数のマイナーにより行われていることです。特定のマイナーだけがプルーフオブワークを行った場合、不正が行われる可能性が高まるからです。また、ビットコインでは暗号化技術や電子署名の仕組みを利用して偽造の防止をしています。暗号化技術により、情報を数学的に暗号化し、第三者には意味がないが、取引の正当性は検証できる数列にします。また、公開鍵と秘密鍵という2つの鍵を使うことで、当事者間のみでの取引が完結するようにしています。

おわりに

ビットコインのような仮想通貨にとって、暗号技術はそれ自体の価値の根源です。ビットコインの暗号技術は、取引の改ざんやコインの偽造を困難にすることでビットコインの価値を保持しています。ビットコインは取引の整合性をネットワーク参加者が監視しあうシステムのため、参加者が増えれば増えるほど、監視者も増え、不正はさらに困難になります。

で、ビットコインの信頼性を担保する技術がブロックチェーンであり、ブロックチェーンは暗号化技術により高度なセキュリティを保っています。ブロックチェーンに記載された取引を改ざんするには、それ以前の取引をすべての秘密鍵電子署名し直し、ブロックを採掘し直す必要があります。しかも、10分後には新しい取引の記録がブロックチェーンに追加されます。さまざまな技術が組み合わさることでビットコインの安全性が保たれているのです。