デジタルマネーライブラリー

このスマート社会において情報は、場所やモノに縛られない状況を実現しはじめています。そんな情報にこれからは価値あるインターネット「IoV」(Internet of Value)が求められると考えています。本ブログでは、そんな「IoV」に影響する仮想通貨について色々な観点から紹介します。

中小企業が考えたい余剰資金の運用先

中小企業の社長が考えなければならないこと。それは事業で生み出した利益をどのように活用するかです。

中小企業の場合、社長が出資比率100%の株主であることも珍しくありませんから、会社の利益 = 社長の資産 と言い換えても間違いではありません。

今回は、事業で稼いだ利益の使い道について色々と考えてみました。

 

私が会社を設立する前に読んだ本で印象に残っている一節があります。

 

社長の給料は会社の運転資金
社長の役員報酬は高ければ高いほどいい。いざとなったら自己資金で会社に資本の追加を行う為にプールしておかなければならない。

 

中小企業の場合、業績が悪化すると資金調達に苦労します。大企業のように銀行が救済してくれるほど甘い世界ではありません。

業績が悪化しても社員への給料は払うのが義務ですので、会社にお金がなければ、どんなことをしてでもお金をかき集めなければならないのが社長の仕事です。

普段、どれだけ従業員と良い関係が築けていたとしても、給料が払えないならば、従業員にとって社長は悪人以外の何者でもありません。なぜなら、従業員にも生活があるからです。

生み出した利益を従業員に還元することも大切ですが、いざというときに社長がしっかりと蓄えを持っておく。

そこで、常日頃から社長が個人財産を作っておき、社長自身の資産をいざというときに頼れる財布にしておくことの重要性が上記の書籍には書かれていました。

会社のお金が足りなくなれば、社長の個人資産を使って増資をしたり、借入をすることができます。

社長から「役員借入金」名目で借入を起こしても、個人からお金を借りる分には無利息で良いので、会社の貴重な運転資金として使えます。

しかし、これにも問題があります。個人の税率は高いので、社長に役員報酬を払いすぎると法人税よりも高い税金を支払わなくてはならなくなってしまいます。

 

4つめの運用先は、「会社の法人口座で資産運用をする」ことです。

法人口座で資産運用をした場合、仮に損失を出しても事業の損益と相殺でき、最大7年間は損失を繰り越すことができます。

資産運用先についてもう少し掘り下げてみます。

 

定番の資産運用先としては、債券投資があります。

国や企業が発行する債券を購入し、その利息を毎月受け取ることができます。償還期間になると投資元本が一括返済される仕組みです。

債券は安全度の高い運用手段として広く知られており、安全かつ定期預金よりも利回りが高いので、法人でも債券投資を行っているところは多いです。

債券投資で注意するべき点は2つあります。

1つめは元本保証ではないことです。債券は極めて安全度が高いのですが、元本保証ではない投資商品であることは頭に入れておく必要があります。

もう一つは、償還日を意識して長期・短期の債券を組み合わせることです。

債券は途中売却すると損失となってしまうケースがあるため、原則として償還日(元本が返還される日)まで満期保有することを前提に投資することをおすすめします。

しかし、法人の余剰資金は、会社の業績が悪化した場合など、いつ必要になるかわかりません。

債券はキャッシュ化しにくい投資商品なので、償還日を複数持っておくことで資金化できるタイミングを増やすことが重要です。

わかりやすく言うと、10年定期1本にするよりも、1年定期で回していくか、1年・3年・5年の定期預金に分けて、2年ごとに資金化できるタイミングを作りましょうということです。

また、債券の中には高利回りな「EB債(仕組債)」がありますが、これは良い商品とは言いがたいのでおすすめしません。

以前、某大手証券会社の営業マンが「法人の社長さんで3,000万円の債券作ってよ。とかよく言われますよ」と言っていたのですが、某大手証券会社にオーダーする仕組債は、高い確率で期待リターンはマイナスです。

3,000万円の債券をポンとオーダーできるような社長さんでも、こうした過ちを犯してしまうのか、、、と思ったエピソードでした。