デジタルマネーライブラリー

このスマート社会において情報は、場所やモノに縛られない状況を実現しはじめています。そんな情報にこれからは価値あるインターネット「IoV」(Internet of Value)が求められると考えています。本ブログでは、そんな「IoV」に影響する仮想通貨について色々な観点から紹介します。

仮想通貨「IOTA(アイオタ)」を知ろう

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IOTAは2016年7月に公開されました。通貨単位はIOTで取引承認のアルゴリズムにはProof of Workが採用されています。IOTAとは、IoTデバイス間の決済に最適化された仮想通貨です。IOTAの利点を理解するためには、まずはIoTとその周辺についての理解を深めなければなりません。IoTはInternet of Thingsの略語で、パソコンのみならず車や家電製品など私たちの身の回りにあるあらゆるモノをインターネットに接続するという構想です。IoTを活用することでそれらすべてのモノにおいて情報の管理が効率化できます。また、IOTAはシステムが高く評価されておりマイクロソフト富士通など、大手IT企業20社以上と提携を結んでいます。IoTは今後どんどん発達することが見込まれているため、同時にIOTAの需要も高まることが予想されており、将来性にも大きな期待が寄せられています。

 

基本情報

独自通貨: IOTA(アイオタ)
開発者: David Sonstebo

開発組織: IOTA Foundation
コンセンサスアルゴリズム :Proof of Work
初期発行量 :2,800兆枚

経緯

IOTAはDavid Sønstebo氏によって創設され、2015年11月から12月の間にICOが行われて、資金調達が実施されています。

IOTAの特徴を知ろう
IOTAには、以下の2つの特徴があります。

①送金手数料なしに送金が可能
②IoTデバイスで取得したデータを安全に送信できます
上記2つのIOTAの特徴を実現しているのが、「Tangle」と呼ばれる独自技術です。以下ではTangleの仕組みについて説明を行った上で、IOTAが持つ2つの特徴について解説します。

 

IOTAの独自技術Tangleを知ろう

Tangleの大きな特徴は、IoTデバイスの間で行われる小規模なデータ送信や受信などのやり取りを手数料無料で行えることです。また、Tangleはビットコインなどの仮想通貨で利用されているブロックチェーンと似た働きをする分散型台帳技術であるDirected Acyclic Graph(以下、DAG)構造を応用しています。ビットコイン決済には10分以上の時間がかかっており、これがビットコインの度重なる分裂などを引き起こしていると考えられており、大きな課題になっています。ブロックチェーンを採用しているビットコインの場合、マイナーによる承認に時間がかかる仕組みになっており、これが決済時間の長さにつながっているのです。ビットコインなどのブロックチェーンの場合、ブロックがマイナーによって承認されなければならないことから決済に時間がかかります。現在のように世界中でビットコインの取引が拡大していても、マイナーの承認がなければブロックが形成されないことになり、仮想通貨としてのビットコインの送金もできません。ブロックチェーンの場合、1つのブロックが生成されなければ、その先のブロックが承認されないため「ボトルネック」が発生しやすいことになります。

一方、DAGは、1つ前のブロックが承認される前にその前にあるブロックを承認できる仕組みになっており、ブロックチェーンよりも迅速な処理が可能になっています。DAGの仕組みでは、マイナーではなく、取引を行う人が他の取引を承認する仕組みになっています。これによって、1つ前のブロックが承認される前に、その前にあるブロックが承認できるようになっているのです。IOTAの独自技術であるTangleは「もつれる」という意味を持つ英単語ですが、取引情報を直線的にしかつなげられないブロックチェーンとは違って、Tangleは複数の方向にもつれた網のような形で分散化された台帳技術なのです。IOTAはTangleという「もつれた台帳技術」を採用しており、ビットコインなどの直線的なブロックチェーンとは違って、網のような形で取引が行われるのです。

 

特長①:送金手数料なしに送金が可能

IOTAが持つ最大の特徴として知られているのが、手数料無料で送金できることです。Tangleを採用していることによって、IOTAではマイナーによる承認ではなく、取引をする人たちがお互いに承認を行うため、送金手数料が無料になっているのです。

IOTAの場合、IoTデバイス間でのやり取りを行うことになるため、少額決済の度に手数料が発生していては、利用者を増やすことが難しいという背景があります。

Tangleは決済の迅速化ということに加えて、送金手数料の無料化も実現したIOTA独自の技術ということができます。

 

特長②:IoTデバイスで取得したデータを安全に送信可能

IOTAが持つもう一つの特徴として、IoTデバイスで取得したデータを安全に送信できることがあります。レンタル自転車を使う場合を考えてみます。利用するレンタル自転車会社がIOTAの独自技術であるTangleを利用することで、自転車を借りる人は氏名などの個人情報をスマートフォンなどに入力し、仮想通貨であるIOTAで決済をして、自転車を簡単に借りることができます。レンタル自転車を借りるためにIOTAを送金しても手数料はかかりません。また、レンタル自転車を運営している企業はIoTデバイスで取得したデータを安全に送信することが可能で、不正なアクセスやハッキングを気にすることなくネットワークを構築することができるのです。