デジタルマネーライブラリー

このスマート社会において情報は、場所やモノに縛られない状況を実現しはじめています。そんな情報にこれからは価値あるインターネット「IoV」(Internet of Value)が求められると考えています。本ブログでは、そんな「IoV」に影響する仮想通貨について色々な観点から紹介します。

仮想通貨からみる通貨の歴史を知ろう

物々交換からビットコインまでのお金の歴史を知ろう

そもそもお金には以下の役割があります。

-価値尺度(モノやサービスの価値が誰にでもわかるように示す、共通の価値のものさし)
-流通尺度(モノやサービスを交換したり、それらの価値に対して報酬を支払ったりする手段)
-価値貯蔵(いつまでも変わらずに価値の額面があるので、価値を蓄積・保存可能)
これらの性質を有するものが「お金」です。そしてその形は必ずしも一つではありません。現在日本では「円」、アメリカでは「ドル」、中国では「元」という法定通貨が用いられています。時代を遡っていけばあらゆる種類のお金が存在しています。モノを買う時、「貨幣」を用いて手に入れます。そして、紙幣を遡ると人類は「物々交換」を行なっていました。この物々交換には2種類の交換方法があります。一つは「自然貨幣」で行う交換と「商品貨幣」で行う交換です。

自然貨幣を知ろう

自然貨幣とは「貝殻」や「骨」、「石」など当時としては希少なもので、誰もが受け取りやすいものでした。そして、そういった希少なものを使い食料などを交換していました。しかし、こういった貝や骨は使う用途がなく、それ自体に「価値がない」のです。そこで次に現れたのが、商品貨幣となります。

商品貨幣を知ろう

日本の歴史では「米」が1つの貨幣として利用されていました。「〜万石大名」など江戸時代などは米の単位=石でその大名の権威を表していました。米は自然貨幣と違い、米そのもの自体に用途があります。世界では牛や豚などの「家畜」や「布」なども商品貨幣として用いられていました。こういった商品貨幣が流入できたのは農業や畜産業の生産性が発展し、「余剰生産物」を生産することが出来るようになったからであると言えます。「余剰生産物」とは、生活に必要なもの以上に生産できたモノのことを言います。

商品貨幣から法定通貨へどう変わったのか知ろう

商品貨幣のデメリットは「交換に手間がかかること」です。毎回の買い物で「コメ」を使うことを考えると、その不便さがイメージできます。この商品貨幣のデメリットを補ったのが紙幣や硬貨などの「法定通貨」です。「法定通貨」は4つの観点から創造されました。それが「利便性」「抽象性」「普遍性」「権力」に関わるものです。

-利便性:紙幣や貨幣は金塊や金貨よりも扱いやすい。

-抽象性:表象的思考能力が発達したおかげで価値の源泉を直接見たり触ったりする必要がなくなり、ただの紙切れが何かの価値の表象であることを明確に理解できるようになった。
-普遍性:社会という形態が世界に広がり相互の結びつきを深めていくと、紙幣や貨幣を発行する金融機関が万国共通の標準となった。
-権力:政治経済に関する目標達成のために権力を持つ者が貨幣供給量を変更し、望み通りの社会を形成していくことができる。なお、貨幣の利用価値は法的権限の及ぶ範囲に限定される。
参考:「貨幣の新世界史」カビールセガール

 

金を担保にした「金本位制」の元で「兌換紙幣」が使われ、やがて金銀の供給量が追いつかないようになると、通貨を使う人たちの「通貨への信用」に基づいた「不換紙幣」が使われるようになります。不換紙幣の供給量を調整するのは中央銀行です。こうした中央集権的なものに対する反感のようなものから生まれたのが仮想通貨の「ビットコイン」です。